検査項目のご説明

血液(生化学)その1

肝機能を調べる検査

 AST(GOT)        

 基準値  10~38 IU/l
ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略でアミノ酸の合成に必要な酵素です
この値が高い場合は、肝炎や脂肪肝や心疾患などが疑われます。

  ALT(GPT)       

 基準値  6~38 IU/l
ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼの略でASTと同様でアミノ酸の合成に必要な
酵素です。また、ALTのほとんどが肝臓にあるため、高い場合は肝臓に異常があると見当
がつきます。
基準値を少し超えた程度でも、いろいろな病気が考えられるので、症状の有無にかかわらず、医療機関を受診してください。

 γ-GT(γGTP)      

基準値   男性  0~70 IU/l
 女性  0~30 IU/l
γ-GT(ガンマ・グルタミール・トランスペプチターゼ)も、腎臓や肝臓に多く存在する
酵素です。この酵素はアルコールに敏感に反応するため、アルコール常飲者では高値
を示すのが特徴です。 数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、閉塞性黄胆
が疑われます。

脂質代謝を調べる検査

 総コレステロール T-chol       

基準値  140~219mg/dl
血中に含まれるコレステロールの総計で、血管の強化や維持に重要な役割を果たして
います。しかしこの数値がたかくなると動脈硬化を促進する危険があるため注意が必要に
なります

 中性脂肪 TG トリグリセライド    

基準値   50~150 mg/dl
脂肪の一種で、エネルギー源として利用された後、余ったものが皮下脂肪や内臓脂肪
として蓄えられます。
中性脂肪値がい高い場合は糖尿病、ネフローゼ症候群、メタボリックシンドローム、
甲状腺機能低下症、脂肪肝、急性膵炎などが疑われます。

肝臓・膵臓機能を調べる検査

 血清総蛋白 TP        

 基準値 6.5~8.1g/dl
血清総蛋白は、常に一定状態を保たれていますが、肝臓や腎臓機能の障害などで異常を
きたすと、変動が起こります。
基準値より高い場合は、慢性肝炎、肝硬変、膠原病など
基準値より低い場合は、消化吸収障害、ネフローゼ症候群など疑われます。

           

 ALB(アルブミン)  A/G比 (アルブミン/グロブリン)比            

基準値   アルブミン  4.0g/dl 以上
 A/G比  1.0~2.0l
血清総蛋白値が基準範囲を示していても、アルブミンが減少し、グロブリンが増加していて、実は何らかの異常が隠れている場合が少なくないので、こうした場合、A/G比を測る
ことによって、肝障害、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍などの可能性を、探ることができま
す。ただし、A/G比検査では病気の特定まではできないので、病気の程度を確認する
ために使われることが多いです。

 ZTT (硫酸亜鉛試験)       

基準値  2~14クンケル単位
ZTTは肝機能検査のスクリーニングとして用いられています。
ZTT値を調べることにより、骨髄腫などのMたん白血症を推定することができます。
ZTTが高値の場合は肝硬変、肝炎、肝がん、膠原病、骨髄腫、悪性腫瘍など
ZTTが低値の場合は胆汁うっ滞症、ネフローゼ症候群、糸球腎炎、骨髄腫などが
疑われます。

 LD(LDH) 乳酸脱水酵素    

基準値   120~240 IU/l
LD(LDH)とは、肝臓をはじめ、心臓、腎臓、赤血球などのからだのさまざまな場所で
作られる酵素で、肝臓では通常幹細胞に多く存在し、糖質をエネルギーに変える働きを
しています。
LDは何らかの異常で肝細胞が破壊されることにより、はじめて血中に漏れ出します。
LD値が高い場合は、心筋梗塞、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、骨髄性白血病、悪性腫瘍
腎臓疾患、筋ジストロフィー、容血清貧血などの疑いがあります。