検査項目のご説明

血液(生化学)その2

肝機能を調べる検査

 ALP(アルカリホスファターゼ)        

 基準値  100~325 IU/l
肝臓をはじめ、腎臓などのからだのさまざまな細胞でつくられる酵素で、肝臓で
通常毛細胆管膜に多く存在し、胆汁中にも存在します。
リン酸化合物を分解する働きがあります。
ALPが高値になる場合は、慢性肝炎、急性肝炎、閉塞性黄胆など肝臓や胆道の病気の
ほか、甲状腺機能亢進症、骨軟化症などの骨の病気が疑われます。

 T-Bil 総ビリルビン      

 基準値  0.2~1.2 mg/dl
赤血球のヘモグロビンが寿命を終えると、変化して黄色くなり、ビリルビンとなります。
通常は胆汁成分として肝臓から十二指腸に送られた後、便とともに排泄されます。
肝臓の障害や胆道系に病気がある場合、胆汁が十二指腸へ出られず、行き場がなくなった
ビリルビンが血液中に大量に流れ込み、黄疸が現れてきます。
基準値より高い場合は急性肝炎、肝硬変、アルコール性肝炎など肝臓の病気や、胆石、
胆のう炎、胆管がんなど胆道の病気が疑われます。

腎機能を調べる検査

 BUN 尿酸窒素      

基準値   9~20mg/dl
通常、尿酸窒素は腎臓でろ過されて尿中へ排出されますが急性や慢性の腎不全におち
いり腎機能が低下すると、ろ過しきれない分が血液中に残り、尿酸窒素の値が上昇し
ます。
尿酸窒素の量が25mg/dl以上だと腎機能以上が疑われ、80mg/dlを越すと、腎機能が
極端に衰え体内に老廃物がたまる尿毒症が考えられます。

 CRE クレアチニンl       

基準値  男性 ~1.00mg/dl
女性  ~0.70mg/dl
クレアチニンとは筋肉を動かす時に必要なクレアチンという物質から生まれるアミノ酸の
老廃物である。通常は尿とともに排泄されます。
基準値を上回る場合は、「急性腎炎、慢性腎炎、腎不全」などが疑われます
腎機能が低下するにつれてクレアチニンは増加し、10mg以上になると、透析療法が
必要になる場合もあります。基準値を上回る場合は、精密検査を受け腎臓疾患の特定を
することが大切になります。

 AMY アミラーゼ            

基準値   血清アミラーゼ  42~144U/l 
アミラーゼは膵液や唾液中に含まれるでんぷんを分解する酵素です。
アミラーゼの量で膵臓が正常に機能しているかを確かめることができます。
基準値より高い場合は急性膵炎、慢性膵炎、膵臓癌、など膵臓疾患が疑われます、
低い場合は肝硬変、糖尿病などの可能性があります。

脂質代謝を調べる検査

 HDL-chol HDLコレステロール    

基準値   40~119mg/dl
HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれていて、血液中の余分なコレステロールを肝臓に運びもどす、働きをしています。
この数値が低い場合は動脈硬化が進行しやすく、高血圧、糖尿病、肝硬変、虚血性心疾患
などが発生しやすくなります。

 LDL-chol LDLコレステロール        

 基準値 60~119g/dl
LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれていて、基準値より多い場合、余分なLDL(低比重リン蛋白)があると動脈硬化を促進させます。
生活習慣病の原因にもなり虚血性心疾患、脳梗塞、糖尿病などが起こりやすくなります。

尿酸代謝を調べる検査

 UA 尿酸       

基準値  2.1~7.0mg/dl
尿酸は、細胞の核の成分であるプリンタ体が分解されるときにできる老廃物で、通常は
尿や便と一緒に排泄されます。
血中の尿酸値が基準より高い場合は高尿酸血症と診断され、痛風、腎臓病などが起きや
すくなり、低い場合は腎不全や尿管結石などが疑われます。